中国/不健全/不安定/不調和 改革推進に3つの難題 発展改革委主任
■資源、富の再分配を
中国は先月開催した全国人民代表大会で、今後の成長モデルを、これまでの投資主導型から内需中心の消費牽引(けんいん)型に転換する方針を確認した。しかし、これまで展開されてきた改革開放路線は多くの経済的矛盾などを生み出しており、成長モデルの転換が成功するか否かは、市場メカニズムの一層の導入と、資源と社会の富の適正な再分配システムを構築できるかどうかにかかっている。(上原隆)
中国国家発展改革委員会の馬凱主任は、先月の全国経済体制改革工作会議で、中国が志向している社会主義市場経済による改革の方向は完全に正しいと強調、改革開放路線を堅持することをあらためて明言した。
≪行政管理見直し≫
馬主任の自信を裏付けるように、確かに、改革の進展に伴い、市場原理に基づいた資源の分配や、経済における市場原理の役割がさらに高まり、中国経済の成長はかつてない活力と効率のよさを得ている。
しかし、馬主任は、返す刀で、経済活動の一部で不健全、不安定、不調和といった三つの矛盾と問題が突出。これらのマイナス要素は改革がいまだに不完全で、市場メカニズムに欠陥があるために生じていると認めた。
馬主任はその上で、改革開放路線から生じた欠陥を解消するには、今後の経済運営を通し、市場原理による資源の分配のはたらきを強化するとともに、非営利の公共サービスの提供を拡充し、社会的な公平性の促進が重要だとの見方を示した。
さらに、今後の経済体制改革では、三つの分野での重点的な取り組みが必要だと述べ、(1)市場メカニズムの運行を妨げる行政管理体制や投資体制の改革(2)合理的な経済発展を阻害する制度。例えば、財政システムや税制、価格制度などの改革(3)調和した社会の構築の障害となる制度。例えば、就業制度や所得分配、社会保障制度の改革−をあげた。
行政管理体制の改革は、昨年から検討されているが、馬主任は、「今年の改革の重点は政府の行政管理体制に置かれる」と述べ、政府の公共サービスや法制度の改革が急務だとした。
さらに、財政や税制の改革については、中央と地方との調整が必要で、省、県、市など各級政府レベルでの財政の権限をどうするかが焦点となるとし、価格制度の改革では、資源不足の状況の下、市場の需給状況をみながら、電力や石炭、石油、天然ガスなどエネルギー製品の合理的な価格決定メカニズムを探ることが必要だとした。
また企業制度や所有権制度の確立や金融分野では信用制度の構築が市場メカニズムをより完全なものにする上で欠かせないと強調した。
≪医療制度改善も≫
馬主任はさらに医療制度の改善も重要な課題と位置づけ、都市、農村部を問わず、住民が容易に診察、治療を受けられる体制が急務だとした。
総括的にとらえると、馬主任の提言は、一九九〇年代以降、急速に広がった社会的格差の是正と安定した持続可能な経済成長の基盤づくりが柱となっているが、社会主義の本領であるべき「富の再分配」や社会保障制度が難題となっているところに、中国経済、社会の抱える矛盾が色濃く映し出されているといえる。
(引用:FujiSankei Business i.)
「社会主義の本領であるべき「富の再分配」や社会保障制度が難題となっているところに、中国経済、社会の抱える矛盾が色濃く映し出されているといえる。」
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